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コンセプト
スクーデリア・アルファタウリが手掛けた2代目のマシンとなる新型『AT02』。2021年のテクニカルレギュレーションにあわせて前年マシンであるAT01と同じシャシーが使用されており、基本的には前年型の進化版となっている。特にエアロダイナミクスとサスペンションの開発に重点が置かれ、同時にパワーユニット、サスペンション、ギアボックス、電子制御システムの統合化にも改善が加えられている。
シャシー
パワーユニット、トランスミッション、サスペンション、ボディワーク、ウィング、フロアなどの主要な部品が取り付けられるため、シャシーは新マシンをデザインする際に最も重要となる部分だ。スクーデリア・アルファタウリ内で設計・製造が行われ、厳しい安全テストをクリアしたうえで承認される。また、完全新設計となるフロントサスペンションを採用する一方で、ギアボックスとリアサスペンションに関しては昨年のレッドブル・レーシングのマシンのものが使用されている。
パワーユニット
新型マシンAT02にはホンダの新型パワーユニットが搭載され、パッケージングの改良が進められた。キーワードとなるのは今年提携4年目を迎えるホンダとの継続性だ。パワーユニットは排気量1600ccのV6ターボエンジンに加え、レース中に発生したエネルギーの再利用を可能にする2つのERS(エネルギー回生システム)で構成されている。MGU-Kによってブレーキング時に発生する運動エネルギーを回生でき、MGU-Hによってターボによる排気ガスの熱エネルギーを回生することが可能。
エアロダイナミクス
鳥は空を飛ぶために翼を必要とし、F1マシンは逆に自らを地面に押しけるために翼を必要する。新しいボディワーク、ウィング、その他のエアロパーツなどは、すべてスクーデリア・アルファタウリによって独自開発されたもの。風洞施設によって空力テストが実施され、それらのパーツ素材にはカーボンファイバーが採用されている。特に今回の新型フロントノーズの開発には2トークンが消費されており、改良されたエアロダイナミクスはフロントサスペンションの設計にも大きな影響をもたらしている。
タイヤ
ボディワークがエアロダイナミクスによってグリップを生む一方で、タイヤはメカニカルグリップを発生させている。同時に、エンジンからのパワーを地面に伝える大切な役割もある。マシンをランナーに例えるとするなら、タイヤは靴といっていいだろう。今年ピレリから提供されるタイヤは昨年とは構造が異なる少し重いタイヤとなっており、マシンの最低重量は増加する結果となった。最も硬いC1から最も柔らかいC5までの、5種類のドライ用コンパウンドが用意され、各レースで使用できるのはハードタイヤ(ホワイト)、ミディアムタイヤ(イエロー)、ソフトタイヤ(レッド)の3種類だ。またレインタイヤはエクストリーム(ブルー)とインターミディエイト(グリーン)の2種類となっている。
名称 | AT02 |
パワーユニット | Honda RA621H |
シャシー | スクーデリア・アルファタウリ:カーボンコンポジットモノコック |
フロントサスペンション | スクーデリア・アルファタウリ:カーボンコンポジットウィッシュボーン、プッシュロッド、 トラックロッド&アップライト レッドブル・テクノロジー:サスペンションロッカー、トーションバー、ダンパー |
リアサスペンション | レッドブル・テクノロジー:カーボンコンポジットウィッシュボーン、プルロッド方式インボードトーションバー&ダンパー |
ブレーキダクト | スクーデリア・アルファタウリ(フロント&リア) |
ステアリング | スクーデリア・アルファタウリ/レッドブル・テクノロジー(パワーアシスト付き) |
ギアボックス | レッドブル・テクノロジー(カーボンコンポジットメインケース、縦置、8速油圧式) |
ディファレンシャル | 油圧式マルチプレート |
クラッチ | 油圧式カーボンマルチプレート |
排気システム | Honda |
ブレーキシステム | スクーデリア・アルファタウリ/レッドブル・テクノロジー |
ドライバーズシート | スクーデリア・アルファタウリ(カーボンコンポジット) |
タイヤ | ピレリ |
燃料システム | スクーデリア・アルファタウリ/レッドブル・テクノロジー |
重量 | 752 kg |