AT01:スクーデリア・アルファタウリ初のF1マシン
アルファタウリはレッドブルが新たに立ち上げた、ファッション性と機能性を組み合わせて衣料品の未来を創出するプレミアム・ファッションブランドだ。
2020シーズンのごく限られたルール変更を最大限活用したAT01は、スクーデリア・トロ・ロッソの名を冠した最後のマシンSTR14の進化版だった。AT01の主要開発エリアは、ホンダRA620Hパワーユニット、エレクトロニクス、サスペンションのパッケージングで、油圧システム / サスペンション / ギアボックスはスクーデリア・アルファタウリとレッドブル・レーシングの協働体制の一環としてミルトン・キーンズのレッドブル・テクノロジーから供給された。パッケージングの改良に専念しつつ、エンジンパートナーのホンダとの緊密なコラボレーションを進めた結果、AT01は非常にコンパクトなマシンに仕上がり、エンジニアたちは自由度の高い空力開発を進めることができた。
トロ・ロッソからアルファタウリへの転換は、マシンのルックスにも反映されている。AT01のリバリーには、艶のあるホワイトと艶消しのネイビーブルーという前例のない斬新なコンビネーションが採用された。このリバリーはファンにも好評で、F1公式ウェブサイトのオンラインアンケートで2020シーズンのベストリバリーに選出された。
シーズン開幕前の人気だけではなく、AT01は数多くのポイントも手にした。ピエール・ガスリーとダニール・クビアトにステアリングを委ねたAT01は高い競争力を発揮し、ドライバーコンビはコンスタントにトップ10圏内を記録。2020シーズンのAT01は全17戦中15戦でポイントを獲得し、チームのホームレース、モンツァで開催されたイタリアGPでのガスリー優勝がシーズンハイライトになった。
チーム史上最多となる107ポイントを獲得してスクーデリア・アルファタウリをコンストラクターズ選手権7位へと導いた2020シーズンのAT01は、チームの歴史を塗り替えたマシンとなった。
AT01 主要諸元
正式名称 | AT01 |
エンジン | ホンダ RA620H |
シャシー | スクーデリア・アルファタウリ製 カーボンコンポジット・モノコック |
フロントサスペンション | スクーデリア・アルファタウリ製 カーボンコンポジット・ウィッシュボーン レッドブル・テクノロジー製 プッシュロッド / インボードトーションバー / ダンパー付アップライト・アッセンブリ |
リアサスペンション | レッドブル・テクノロジー製 プルロッド式インボードトーションバー / ダンパー付カーボンコンポジット・ウィッシュボーン |
ブレーキダクト | スクーデリア・アルファタウリ製(フロント / リア) |
ステアリング | スクーデリア・アルファタウリ / レッドブル・テクノロジー製 パワーアシスト |
ギアボックス | レッドブル・テクノロジー製 カーボンコンポジットメインケース / 縦置き8速 / 油圧制御 |
ディファレンシャル | 油圧制御マルチプレート |
クラッチ | 油圧制御カーボンマルチプレート |
エキゾースト | ホンダ製 |
ブレーキシステム | スクーデリア・アルファタウリ / レッドブル・テクノロジー製 |
ドライバーズシート | スクーデリア・アルファタウリ製 各ドライバーの体型に合わせたカーボンコンポジットシート |
タイヤ | ピレリ |
燃料システム | スクーデリア・アルファタウリ / レッドブル・テクノロジー製 |
重量 | 746 kg |