STR11はスクーデリア・トロ・ロッソがF1世界選手権2016シーズン用に開発したマシンだ。前シーズンに引き続きドライバーはカルロス・サインツとマックス・フェルスタッペンが務めたが、シーズン途中にフェルスタッペンがレッドブル・レーシングへ移籍。その後任としてダニール・クビアトが加わった。
テクニカルシート
2016シーズンに向け、スクーデリア・トロ・ロッソはパワーユニットをルノー製からフェラーリ製に変更。FIAの承認を受けたフェラーリは2015シーズン仕様のエンジンを供給した。2007シーズンから2013シーズンにかけてフェラーリからエンジンを供給されていたスクーデリア・トロ・ロッソにとって旧交復活の印だったフェラーリ060エンジンは、ファエンツァで製作されたモノコックに搭載された。
STR11のサスペンションは、フロントはプッシュロッド、リアはプルロッドと前シーズンの仕様が踏襲された。アッパー&ロワーアームはカーボンファイバー製で、キャリパー / パッド / ブレーキはブレンボが供給。8速シーケンシャルレシオを備えたトランスミッションはレッドブル・テクノロジーが製作・供給した。
戦績
2016シーズン開幕4戦はフェルスタッペンとサインツがSTR11のステアリングを託された。STR11は高い競争力を発揮し、メルボルンで開催された開幕戦でドライバー2人が揃って入賞すると、中国GPでもダブル入賞を再び記録した。
フェルスタッペンがレッドブル・レーシングへ移籍したため、スペインGP以降はクビアトが復帰した。フェルスタッペンがバーレーンGP、サインツがスペインGP / アメリカGP / ブラジルGPで6位フィニッシュを記録したスクーデリア・トロ・ロッソは63ポイントを獲得し、コンストラクターズ選手権総合7位でシーズンを終えた。
STR11 主要諸元
シャシー
コンポジット・モノコック
トランスミッション
スクーデリア・トロ・ロッソ製 アルミニウム・アロイ / ギア:レッドブル・テクノロジー製 油圧制御式8速シーケンシャル
タイヤ
ピレリ
サスペンション
フロント:アッパー&ロワーカーボンウィッシュボーン/プッシュロッド/トーションバースプリング/アンチロールバー
リア:アッパー&ロワーカーボンウィッシュボーン/プッシュロッド/トーションバースプリング/アンチロールバー
ブレーキ
ブレンボ製 キャリパー/パッド/ディスク(スクーデリア・トロ・ロッソ製 ブレーキ・バイ・ワイヤ)
エンジンスペック
- シリンダー数
- 6
- 排気量
- 1,600cc
- 最高回転数
- 15,000 rpm
- バルブ数
- 24
- バンク角
- 90°
- 重量