STR3もレッドブル・テクノロジーとのコラボレーションによって生まれたシングルシーターで、F1世界選手権2008シーズンに参戦した。セバスチャン・ベッテルとセバスチャン・ブルデーがドライバーを務めた。
STR3の実戦デビューは開幕をとうに過ぎたモナコGPだった。シーズン序盤5戦は前シーズンマシンの改良型STR2Bが使用されていた。レギュレーションは前シーズンからの変更が比較的少なかったため、2007シーズンのマシンを2008シーズン用にアップデートすることが可能だった。
テクノロジー
STR3も前シーズンと同じくバルブ数32・2,398 cc 90° V8のフェラーリ056エンジンを搭載した。コンポジット製モノコックのSTR3はフロント・リア共にプッシュロッド式サスペンションが採用され、ブリヂストン製タイヤを装着していた。
戦績
STR3はスクーデリア・トロ・ロッソの歴史で最も大きな成功を収めたシングルシーターのひとつだった。
実戦デビューのモナコGPでベッテルが5位入賞を記録すると、その後もベッテルによってSTR3のポテンシャルが最大限まで引き出され、カナダGP / ドイツGP / ヨーロッパGP(バレンシア)/ ベルギーGPでポイントを獲得。イタリアGPではセンセーショナルなポールポジションと初優勝を飾った。
STR3の優れたパフォーマンスのおかげでベッテルはシンガポールGP / 日本GP / ブラジルGPでもポイント圏内でフィニッシュし、スクーデリア・トロ・ロッソはコンストラクターズ選手権総合6位で2008シーズンを終えた。
STR3 主要諸元
シャシー
コンポジット・モノコック(完全なストレスメンバーとしてフェラーリ056 V8エンジンを搭載)
トランスミッション
縦置き7速ギアボックス(パワーシフトおよびクラッチ制御用にハイプレッシャー油圧システムを搭載)
タイヤ
ブリヂストン
サスペンション
フロント:アルミニウムアロイ製アップライト / アッパー&ロワーカーボンウィッシュボーン / トーションバースプリング / アンチロールバー
リア:アルミニウムアロイ製アップライト / アッパー&ロワーカーボンウィッシュボーン / トーションバースプリング / アンチロールバー
ブレーキ
6ポッド仕様
エンジンスペック
- シリンダー数
- 8
- 排気量
- 2398 ㎤
- 最大回転数
- バルブ数
- 32
- バンク角
- 90°
- 重量
- > 95 Kg