STR7はスクーデリア・トロ・ロッソがファエンツァのファクトリーで単独設計・製造・組立を担った3台目のマシンで、F1世界選手権2012シーズンに参戦した。エンジンカバーを覆う大きな雄牛をフィーチャーしたクラシックなブルーのリバリーが目を引いたこのシングルシーターは、ジャン・エリック・ベルニュ(フランス)とダニエル・リカルド(オーストラリア)の新ドライバーコンビがドライブした。
テクニカルシート
STR7はコンポジット製モノコックとトーションバー&アンチロールバーを備えたカーボンウィッシュボーンを備えており、設計陣は2012シーズンのレギュレーション変更点への理解を深めながら空力の最適化に注力した。
ノーズは完全に一新され、新ルールに適合すべく下部と上部が段差で繋がれた他、マシンの空力パフォーマンスを最大化するために、ラジエターの小型化やマシン側面のインテークにも労力が注がれた。
また、ギアボックスも小型化され、7速+リバースの油圧制御トランスミッションを内蔵していたSTR7は、2,398cc V8フェラーリ056エンジンを搭載していた。
戦績
F1世界選手権2012シーズンはベルニュとリカルドがSTR7をドライブした。リカルドは自身のホームレースとなった開幕戦メルボルンで早速ポイントを記録して良好な滑り出しを見せた。
STR7は安定性と信頼性を示し、シーズンの大半で完走を記録。シーズン中8戦でシングル&ダブル入賞を記録し、ベルギーGPと韓国GPでは2台揃ってトップ10圏内でフィニッシュした。
スクーデリア・トロ・ロッソはコンストラクターズ選手権総合9位で2012シーズンを終えた。
STR7 主要諸元
シャシー
コンポジット・モノコック
トランスミッション
油圧制御式7速
タイヤ
ピレリ
サスペンション
フロント:アッパー&ロワーカーボンウィッシュボーン/トーションバースプリング/アンチロールバー/ザックス製 ダンパー
リア:アッパー&ロワーカーボンウィッシュボーン/トーションバースプリング/アンチロールバー/ザックス製 ダンパー
ブレーキ
ブレンボ製
エンジンスペック
- シリンダー製
- 8
- 排気量
- 2398 ㎤
- 最高回転数
- バルブ数
- 32
- バンク角
- 90°
- 重量
- > 95 kg