スクーデリア・トロ・ロッソはSTR9と共にF1世界選手権2014シーズンに参戦した。ジェームズ・キーとルカ・フルバットが設計を担当したSTR9は、ジャン・エリック・ベルニュとダニール・クビアトがステアリングを握った。
テクニカルシート
F1世界選手権2014シーズンにおけるレギュレーションの革新は、熱エネルギー回生システム(MGU-H)と運動エネルギー回生システム(MGU-K)が1,600ccのV6ターボ内燃機関エンジンに組み込まれた新ハイブリッドパワーユニットの導入だった。この新F1パワーユニットはマシンの効率性を高め、さらなるパワーを生み出した。STR8にはルノー製V6ターボエンジンが供給された。
STR9のシャシーはコンポジット製で、ファエンツァに構えるチームファクトリー内で設計・製作された。また、STR9のサスペンションはフロントがプッシュロッド式、リアがプルロッド式が採用された。キャリパー/パッド/ディスクはブレンボが供給したが、ブレーキ・バイ・ワイヤはスクーデリア・トロ・ロッソの内製だった。
トランスミッションはアルミニウムアロイ製で、レッドブル・テクノロジーが供給する8速シーケンシャルレシオを備えていた。
戦績
2014シーズンのスクーデリア・トロ・ロッソのドライバーラインアップはベルニュと当時ルーキーのクビアトが務めた。開幕戦メルボルンではベルニュが8位・クビアトが9位でフィニッシュし、ルノーエンジン搭載車唯一の決勝完走を記録した。2014シーズンのベストリザルトはシンガポールGPで記録されたベルニュの6位だった。
計30ポイントを獲得したスクーデリア・トロ・ロッソはコンストラクターズ選手権総合7位でシーズンを終えた。
STR9 主要諸元
シャシー
スクーデリア・トロ・ロッソ製 コンポジット・モノコック
トランスミッション
スクーデリア・トロ・ロッソ製 アルミニウムアロイ / レッドブル・テクノロジー製 油圧制御8速シーケンシャルギアボックス
タイヤ
ピレリ
サスペンション
フロント:アッパー&ロワーカーボンウィッシュボーン/プッシュロッド/トーションバースプリング/アンチロールバー/マルチマティック&ペンスキー製 ダンパー
リア:アッパー&ロワーカーボンウィッシュボーン/プッシュロッド/トーションバースプリング/アンチロールバー/マルチマティック&ペンスキー製 ダンパー
ブレーキ
ブレンボ製 キャリパー/パッド/ディスク(スクーデリア・トロ・ロッソ製 ブレーキ・バイ・ワイヤ)
エンジンスペック
- シリンダー数
- 6
- 排気量
- 1600cc
- 最高回転数
- 15,000rpm
- バルブ数
- 24
- バンク角
- 90°
- 重量
- 145 kg(FIA最低重量)