2020シーズン
2006シーズンから2019シーズンまでの14シーズンをスクーデリア・トロ・ロッソとして参戦してきたチームにとって、2020シーズンはスクーデリア・アルファタウリ初年度となった。COVID-19の影響でF1に携わるすべての人が多大な困難に直面しなければならなかったが、リザルトに関して言えば、スクーデリア・アルファタウリにとっては素晴らしい1年になった。チーム全体とスタッフ全員が最後までたゆまぬ努力を重ねた結果、イタリアGPでのピエール・ガスリーの優勝とチーム史上最多となる合計107ポイント獲得という2つのシーズンハイライトが記録された。2020シーズンがわずか17戦しか開催されなかったことを踏まえれば、この記録の価値はさらに高まる。
新時代の初代マシンAT01はホワイトとマットダークブルーを基調にした美しい新リバリーが用意された。エンジンカバーとリアウイングにAlphaTauriのロゴがあしらわれ、RA620Hパワーユニットを供給するホンダの赤いロゴがアクセントとして機能した。レッドブルのプレミアムファッションブランドAlphaTauriのイメージが忠実に反映されたAT01は、F1ファンの投票で選出される2020シーズンのベストリバリーにも選ばれた。
F1創設70周年だった2020シーズンは、これ以上ないほど困難な状況に直面した。世界中の人たちと同じくF1もコロナウイルスへの対応を迫られ、多数のレースが中止または延期を強いられた。全17戦が短期間に詰め込まれた2020シーズンのF1世界選手権は7月5日のオーストリアGPで開幕し、12月13日のアブダビGPで閉幕したが、ウイルスを防ぐために、全チーム・全関係者を対象に厳格な衛生管理や検査などあらゆる施策が講じられた結果、大半のレースが無観客で開催された。また、限られた期間でなるべく多くのレースを開催する必要が生じたため、ポルティマオやムジェロなどが新開催地に選ばれた他、イモラやニュルブルクリンク、イスタンブールなどのクラシックサーキットでのレースが復活した。
2019シーズンのスペックと同じピレリ製タイヤコンパウンド5種類が供給されてレースごとにその中から3種類が選択されるなど、技術面のレギュレーションは前シーズンからほぼ据え置きとなった。
ドライバーは、2019シーズンにそれぞれ見事な表彰台フィニッシュを記録したピエール・ガスリーとダニール・クビアトが残留し、多くのスリルを提供してファンを興奮させた。その極めつけが、モンツァで記録されたガスリーのイタリアGP優勝だ。トリコローレの紙吹雪を浴びながらシャンパンを振りまくガスリーの姿を捉えた写真は、これからもファンの心に残り続けるだろう。チームにとっては、2008シーズンに同じくモンツァで記録されたセバスチャン・ベッテルのイタリアGP優勝の再現となった。
この後も好リザルトは続き、スクーデリア・アルファタウリは17戦中15回のポイントフィニッシュ(ガスリー10回・クビアト7回)を記録した。また、2020シーズンは、ファエンツァのファクトリーからわずか15kmほどのイモラで開催されたエミリア・ロマーニャGPでのクビアト4位入賞とポルトガルGPでのガスリー5位入賞もハイライトとなった。スクーデリア・アルファタウリはコンストラクターズ選手権総合7位で2020シーズンを締めくくった。
2020シーズン用マシンをチェック: AT01